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糸引きとは【スプルーでの成形不良】 | 射出成形金型設計

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糸引きとは

射出成形において糸引きとは、金型の型開きの際に固化しきらなかったプラスチック材料ががスプルーの先端から糸状に伸びる成形不良のことを言います。

金型破損の原因になる!?

糸引きしたプラスチック材料が金型に挟み込まれ金型損傷の原因となり、それによって製品の外観不良や金型の動作不良を起こすため対策が必要になります。

糸引きの主な原因は?

糸引きの主な原因として、成形機のノズルの温度が高いと発生しやすいというのがあります。(プラスチック材料が固化しにくいため)

図のようにノズル内は高温のため溶けた樹脂なっており、しっかり固まっていない状態で引き抜くと溶けた状態の樹脂が引っ張られ糸を引いたような症状になる。

糸引き対策は?

高温であることが理由で固化しにくいということが原因であるため、ノズル温度を下げたり、冷却時間を伸ばしたりといった対策がありますが、温度低下により成形性が悪くなり品質に影響が出たり、成形サイクルタイムが伸びるといった悪影響も出てきます。このあたりはリスクと天秤にかけ条件設定をする必要があります。

また、サックバックを引く事も糸引き対策に効果がありますが、ノズル先端からの空気を巻き込むことによって次ショットの成形品でシルバー不良が発生するといった悪影響が出る場合もありますのでサックバックの量も慎重に設定する必要があります。

その対策は成形条件もしくはスプルー形状で対処できる!

その他、糸引き防止用のスプルーブッシュを使用したり、糸引きを軽減する成形機ノズルを採用することも対策となります。

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