製品ではない?ランナー?
射出成形は射出成形機から金型へ樹脂を注入して成形品ができるのですが、金型内にある製品部までいきなり樹脂を流し込めるわけではないので金型内には樹脂が通る道があります。
成形後は大きく分けて、その樹脂材料が通る部分(ランナー)と製品に分類できます。
ランナーにはそれぞれに部位に名称があります。
・スプルー
・ランナー
・ゲート
スプルー・ランナー・ゲートの役割ってなに?
※少しややこしいですが、製品以外のいらない部分を一般的にランナーと称します。ランナー部分には役割的に上記のように分類されているので注意して下さい。

金型内に注入した樹脂材料は「スプルー」→「ランナー」→「ゲート」の順番に流れ込みます。
スプルーとは
まず初めに通るスプルーとは金型の形状内の製品部分の近くにたどり着くまでの通路のことをいいます。
スプルーの断面は円状になっており、側面は傾斜になっています。その長さも金型の厚み分が必要になります。
縦ランナーと呼ばれたりもします。金型の構造によっては1次スプルー、2次スプルーと呼ばれることもあります。
ランナーとは
次に通過するのがランナーです。ランナーはスプルーから製品まで流れる通路です。製品まで射出圧力をロスすることなく届けなくてはいけないので細過ぎるといけません。
ただし、太過ぎると材料ロスが多くなるのでランナーは太過ぎても細過ぎてもいけません。大きさの目安として製品肉厚より厚いことが最低条件ですが、その成形品に合った大きさにする必要があります。
また、製品が2つ以上ある場合はランナーで分岐してそれぞれの製品に流れるので、均等に流れるように配置し、距離も均等にすることが大切です。
特に多数個取りの場合はランナーの設計は非常に重要です!この材料ロスが大きくなる場合はホットランナーも検討すると良いと思います。
ゲートとは
最後に通過するのがゲートです。
ゲートは成形品への入り口となります。プラスチックの流れこむ速度のコントロールことが大きな役割で、早すぎても遅すぎてもいけません。
ゲートの大きさを小さくすると流入速度が上がり、大きくすると遅くなります。
流入速度が早すぎた場合はジェッティングといったプラスチックが勢い良く流れた模様が成形品の表面に現れます。
逆に流入速度が遅すぎた場合はフローマークといったゲートを通過したプラスチックが縞模様のように現れる現象が発生します。
またゲートは製品とつながる部分になるため切断の処理を行う必要があります。その切断処理を自動でできるのがピンゲートやトンネルゲートといった方法になります。
射出成形において非常に重要な役割
射出成形品は成形条件によって大きく変わりますが、その成形条件に選択の幅を持たせるためにもスプルー・ランナー・ゲートの役割は非常に大きいものとなります。