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製造現場でのタブレット導入事例【iPad活用によるペーパーレス化】

目次

製造現場の現状

製造現場では紙を使った情報伝達が行われています。仕様書、図面、作業指図書、実績報告書、日常点検表、、、などなど、見渡してみると紙ばかりです。最近では製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)と騒がれておりますが、実態は理想から程遠いのが現状です。

タブレット端末の導入の目的

そのような現状の中でタブレット端末の導入の一番の目的はペーパーレス化です。ペーパーレス化にすることで無駄な作業をなくすことができます。紙にするということは印刷するにも人手がいりますし、それを渡しに行く必要があります。製造業は日々、新たに図面や指示書が流れています。そのたびに工場内を動き回っていることを想像すればどれだけの時間を費やしているか想像できるかと思います。こういった作業が無くなるだけでも大きく作業効率が上がると思わないでしょうか?しかし、現実はこういった手間は実費(外部に出るお金)がかからないため、特に中小企業では無視されがちです。なので初期コストが低いタブレット端末はDX化に向けたスタートとしては非常に良いツールなのです。

タブレット端末の導入によるメリット

それではタブレット端末の導入によって得られる具体的な効果についてあげていきましょう。

ペーパーレス化による効果

  • 図面・作業指示書の印刷作業が無くなる
  • 図面・作業指示書の配布をしなくていい。
  • 図面の保管が必要なくなり、保管場所のスペースが空く。
  • 過去の仕上がり寸法の実績が容易に探し出せる。

製品の仕様変更等の指示の簡素化とお客様との意思疎通

打ち合わせの際にタブレットに表示された図面に打ち合わせ内容を書き込むことで、その後の指示の手間が大きく省ける。紙図面で打ち合わせした場合、それをコピーして配布するか、データとして残す場合はスキャンして保管する必要がありますが、iPad等のタブレット端末を使用した場合は打ち合わせが終了した段階で情報の共有が可能です。あとはメール等で知らせるだけで良いので簡単に履歴を残しつつ指示ができるようになります。

3Dデータを使って打ち合わせをする場合でも打ち合わせした内容をその場で盛り込むことも可能です。その場で3Dデータを編集できればいいですが、3DCADが使えない方でもiPad等のタブレット端末を使って、ビューワー等を使用してお客様の要望を書き込めば情報伝達も正確になります。実際に3Dデータ見ながら書き込むためお客様との意思疎通も図りやすく、スムーズな打ち合わせができるかと思います。

製造実績の集計作業の自動化

製造現場においてノートパソコン等を持ち運びながらの作業は現実的ではありません。そうするとどうしても製造実績は紙に記入する場合が多いかと思います。そして、実績データを集計し分析するにあたり、一度紙に記入したものを再度パソコンで入力作業をする必要があります。iPad等のタブレット端末であれば、製造現場で持ち運びながらの作業が可能なため、タブレット端末による入力作業が可能になります。これで後にパソコンによる再入力は必要なく、さらに実績が日々入力されるのでリアルタイムの管理も可能になります。

タブレット端末の導入によるデメリット

デメリットとして挙げるならデータのクラウド化ではないでしょうか。タブレット端末を使用する前提としてデータがクラウド上にある必要があります。基本、製造上に関わるデータになりますので、社外には漏らしたくないものばかりではないでしょうか。このあたりをどのように考えるかによると思いますが、まだまだクラウド上にデータがあることに抵抗感がある方が多いので大きなデメリットととらえることもあります。しかし、昔に比べてセキュリティに関しては大きく進歩しています。データ紛失の保護も自社でサーバーを管理するよりも万全の体制でバックアップもとっているためクラウドサーバーの方が安心だと思います。もちろん、自社でサーバーの管理・メンテンナンスが行える専門知識のあるスタッフいれば自社サーバーが一番ですが。

タブレット端末の導入への課題

はっきり言ってタブレット端末の導入に大きなデメリットはないと考えており、メリットしか感じられません。その中で導入に向けての一番の課題は経営者や管理者の考え方だと思います。時代の流れに柔軟に対応しようとするのか今までの経験を重視するのか。また、実費のかからない「手間」をコストと捉え決断できるかです。それができなければiPadの数万円も無駄と捉えられるかと思いますので実現は難しいでしょう。

少し時代をさかのぼり、紙の図面が主流のときには「パソコンなんて使わなくてもいい」という声はあったかと思います。やはり新しいものを使うのに抵抗感を持つ方は多いかと。そして、その抵抗感を持つ方は決定権を持っている方が多いため導入に積極的でない企業が一定多数存在します。それが今ではパソコン無くしては仕事ができないようになってしまいました。

やってるつもりになってるだけのDXにならないように!

基本iPadを購入するだけで始められます。そしてパソコンが使えれば運用できるレベルの業務です。見えない作業効率こそ企業の利益をささえる需要なテーマで、「見える化」はそのために提唱されています。「見える化」にかけるコストよりも少ないコストでできるタブレット端末の導入。前向きに進めていきたいですね。

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