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リターンピンとエジェクタガイドピン【射出成形金型】スプリング

目次

リターンピンとは

リターンピンとは射出成形金型におけるエジェクタプレートを元の位置に戻す役割のピンで、エジェクタプレートのバランスを取る役割やエジェクタプレートのガイドピンとしての役割でも使用されることがあります。

https://jp.misumi-ec.com/vona2/maker/misumi/mold/K0700000000/K0701000000/K0701060000/

リターンピンのスプリング

リターンピンのスプリングはエジェクタプレートを元の位置に戻す役割があります。実際にスプリングの強度が高ければスプリングの力だけでエジェクタプレートは戻ります。万が一、戻りきらない場合でリターンピンによって元の位置に戻すことができます。ただし、スライドコアがエジェクタピン位置かぶってくる場合はスプリングによって戻りきらないとスライドコアとエジェクタピンが接触し破損してしまいますので注意が必要です。

スプリングの計算方法

荷重(kgf)=ばね定数(kgf/mm)×初期たわみ量(mm)×本数

ばね定数(kgf/mm)

初期たわみ量(mm)

エジェクタガイドピンとは

エジェクタガイドピンとは、射出成形金型におけるエジェクタプレートのガイドの役割です。基本的にはエジェクタガイドブッシュと併用されるます。金型の突き出し動作をスムーズ行うのに重要な部品です。

https://jp.misumi-ec.com/vona2/maker/misumi/mold/K0700000000/K0701000000/K0701010000/

エジェクタピンとリターンピンの関係

基本、同じエジェクタプレート関係の部品として併用されるため、その加工についても関連性があります。エジェクタガイドピンが突き当てタイプの場合はリターンピンの穴加工は精度穴になりますが、インロータイプでは逆にニガシ穴になります。すべての部品が精度穴にしてしまいますと非常に高精度な寸法精度が必要で、それが実現できなかった場合は動作不良を起こしてしまいます。スムーズな金型動作のためにも精度穴、ニガシ穴の選択は非常に重要になってきます。なんでも「精度穴しておけばいい」というわけではないということです。

突き当てタイプ
インロータイプ

また、どちらも重要な部品で基本的には併用されますが例外もあります。それはエジェクタガイドピンを設けない場合です。通常リターンピンはガイドの役割を持たせていませんが、エジェクタガイドピンが無い場合はその役割を兼用します。リターンピン用の穴加工は型板・エジェクタプレートともにニガシ穴で加工しますが、エジェクタガイドピンが無い場合は精度穴で加工します。

金型コストダウンの提案

エジェクタガイドピンをなくす

小ロット生産や試作型に最適!

ここまでの説明と重なりますがエジェクタガイドピンを使用しなければコストダウンになります。使用する部品の数が減ることはもちろんですが加工する箇所も減るので当然ですね。ただし、エジェクタガイドピンを無くすということに少なからずデメリットもあります。それは衝撃の加わるリターンピンをガイドピンとして併用するとどうしても動作不良の原因になります。摺動する部品に負荷をかけることはあまりおすすめはできませんが、イニシャルコストを抑えたい生産数量の少ない金型や試作型には適しているのではないでしょうか。

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