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幾何公差とは?寸法公差との違い【図面は伝える手段】

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寸法公差とは?

日本国内ではこの寸法公差が使用されている機会が多いかと思います。特に金型業界ではそのほとんどが寸法公差で表現されており、それ以外の情報はノウハウや業界常識として認識され、図面に表現されていない場合が非常に多いかと思います。平面度や直角度、真円度などが指示されている図面は金型業界では非常にめずらしいのです。

金型を組み上げるには職人の感覚でスムーズに動作する等の調整を行っていきます。どれだけ精密に部品を仕上げても累積寸法で金型がスムーズに動作しない場合があり、どうしても人の手で調整する必要があります。そういったことが影響しているかどうかはわかりませんが、細かいところは「金型職人が最後に調整する」ということが図面の表現につながっているのかもしれません。

図面通り作ればいいわけではないところが難しいですね。

幾何公差とは?

一方、幾何公差とは、寸法公差では表現できない平面度や直角度、真円度など公差範囲を指示できます。したがって幾何公差を使った図面ではその通り加工すれば、設計者の意図に沿ったものが仕上がるかと思います。JIS規格にも定められているとおり、本来であれば幾何公差で指示すべき内容がたくさんありますし、最近では海外との取引も増えている企業が多いかと思いますので幾何公差を図示していくことをおすすめします。

寸法公差と幾何公差の違いは?

寸法公差と幾何公差の違いは上記の通り平面度や直角度、真円度などの形状寸法に公差を設けられるところにあります。図面により多くの設計の思想が描けるので図面どおり製作すれば良いものができるという理想に近づくことができます。

しかし、より詳細に指示できるということはそれだけ図面に記載する内容も増えるということになるため作図の作業時間は増える傾向にあります。口頭で伝えたり、作業ノウハウでカバーできるような内容でも図面に指示することになるのでどちらが良いのかは作業される環境によって変わってくるかと思います。

正しい図面の書き方は確かにありますが、なんでもかんでもガチガチに固めてしますと製作コストがどんどん上がっていきます。図面はあくまで設計者の意図を伝える手段のひとつだと思いますので、より伝えやすい方法を選択して頂くのがよいのではないでしょうか。

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